長めのやつ

Twitterに対して長めの日常の記録とか思い出したこととか

通勤のお伴、ゆる言語学ラジオ

動画を見るのが苦手で、映画もアニメもYouTubeもあまり見ないしPodcastも聞かない。嫌いなわけじゃないんだけど、時間の移ろいが作品の中で固定されているものをが苦手な様に思う。自分のペースとは関係なく進んでいくというか。もしかすると単に集中力がないだけなのかもしれない。あとはどちらかというと原作厨のきらいがあるので、漫画や小説を元にした映像作品が好きじゃないという部分もあるかもしれない。

そんな私でもそういう時間が自動的に進んでいくコンテンツがありがたい時があって、それが通勤の運転中である。いまの家から勤め先まで約1時間かかり、そのお伴としてのコンテンツ。あんまり難しい内容だと運転しながらは聞けないので、耳で聞いて理解できる程度のものが望ましい。あとは運転中に画面を注視するわけにもいかないので、映像主体ではなくて、音声でしっかり喋ってくれている必要がある。

そんな条件にちょうど合うので好んで視聴している番組があって、「ゆる言語学ラジオ」という。

ラジオという名前のとおりどちらかというとPodcast寄りなのだが、たまに漢字とか英単語の綴りの話が出てくるので、字幕や注釈が出てくるYouTubeでの視聴の方がオススメ。昨年ちょっと流行って、Podcast Awardを受賞している。内容としては、ゆるーく言語学について解説していくという内容で、言語学好きの一般人が解説、言語学ど素人が聞き手として話が進んでいく。あくまで「ゆる」なので、雑学的な軽い気持ちで楽しく聴ける。でも中の人がアカデミックな内容リスペクトなので難しい言葉もでてくる回もあり、それはそれで知的好奇心が満たされ楽しく聴ける。

 

聴き始めたきっかけは出演者の片方が知り合いでツイッターをフォローしていたためだ。知り合いというか、相手は私のことを覚えていないと思う。高校でクラスが同じだっただけの特に接点のなかった元同級生なのだ。彼は多分ちょっとオタクっぽい感じの男子たちのグループに属していて、そのグループの中では面白い人と評価されているみたいだったけど、クラス内で目立つタイプではなかったと記憶している。そういえば20歳になったときの高校の同窓会の二次会でクラスごとに飲みに行った時に、同じテーブルに座った気がする。その元同級生は「えっ慶応ボーイなの似合わな!」ってちょっとイジられていたのを覚えている。私の卒業クラスは公共精神に欠けた陽キャが仕切っていたので、クラス全員が入っているLINEグループ的なものは存在しておらず、その後は同窓会は開催されていない。

その彼は今はインターネット芸人というかコンテンツクリエイターみたいな仕事をしていて、なかなか周囲にいないタイプなので観察がてらフォローしていた。それで番組を始めたことを知り、とはいえ彼の面白いという感性と私が好きなものとはちょっと違うような気がしていてしばらく様子を見ていた。しばらくしても番組は続いているようだったし言語学というのもなかなか面白そうだしで番組を視聴し始めたら、予想をはるかに上回る面白さだった!

まず言語学という身近なことをいくらでも例に挙げられる題材がよい。誰だって生きてるだけで言語(なんらかのコミュニケーション手段)は使用しているし、自分や周囲の子供なんかを通じて言語習得の様子を垣間見たり、英語という外国語の勉強をしたことだってある。言語学が扱う分野は周囲にあふれていて、説明を聞いてああそういうことね、となりやすい。たまにガチな言語学の話題も出て来つつ「ゆる」なので、漢字の話とか英単語の語源とかも出て来てそれも楽しい。
そして出演者二人のバランスが良い。聞き手の言語学素人が言語学のズブの素人でかつ理屈っぽく色々質問してくれるので、解説側の説明を存分に引き出してくれる。あとはどっちもうんちく大好きなので、新規概念の説明がひと段落するたびに本筋とは多少の関係がある(または関係がない)面白うんちくが挿入されるので、あまり疲れずに聴ける。
二人の学問や知に対しての姿勢も良い。あくまで素人によって作成されている「ゆる」番組だが二人ともアカデミアへのリスペクトがある。知を探求し続けることの良さが語られたりもする。単なるうんちく好きではなく二人とも読書量が半端ない。
あとは余計なエフェクトや効果音はなく、穏やかに視聴できるのもよい。

番組がブレイクして、最近ではサポーターズコミュニティができたり、新たな「ゆる◯◯学ラジオ」を生み出す企画をやっていたりと活躍が眩しい。

以上紹介でした。他にも良いコンテンツがあれば教えてほしい。